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腕(その3)


今日は手について考えます。かなり複雑なので気合を入れていきます。

前腕が橈骨と尺骨という2つの骨でできていることは昨日ふれました。手の根元の骨は基本的に橈骨の側に関節していて、8つの小さな骨がごちゃごちゃっと集まってできています。この8つの骨をひとまとめに手根骨と呼びますが、橈骨側の4つの骨と中手骨側の4つの骨でさらに2グループに分けられます。普通一言で手首といっているところは、実際にはこんなことになっているわけで、関節構造としてはおおざっぱにいっても二段と考えます。一段目は橈骨と一列目の手根骨が出会うところ、二段目は手根骨の一列目と二列目の間です。一段目を橈骨手根関節、二段目を手根中央関節と呼びます。手首を親指または小指の側に曲げる動き、これはほぼほぼ橈骨手根関節の動きですが、手首を手のひら側に曲げたり(掌屈)手の甲側に曲げたり(背屈)するときは、この2つの関節が両方動いています。掌屈では橈骨手根関節がより多く曲がり、背屈では手根中央関節がより多く曲がるといった具合にそれぞれに得意な方向があって役割を果たします。さらに、手首を親指or小指方向に曲げる動きと掌屈背屈を組み合わせるとぐるぐると回転するようなこともできます。このときはどこがどうなっているのでしょう。8つの手根骨が一つ一つ位置を変えながら全体としてこのような動きになっていて細かく説明するのはほとんど無理です。

手関節のリンク:http://ortho-senga.com/ds_wrist_sprain.html

次にくるのは中手骨です。まず中手骨それぞれの可動性について見てみましょう。手首を固めた状態でコブシの出っ張り(ナックル)の部分がどのくらい動かせるか反対の手で持って動かしてみましょう。多分、中指はほとんど動かなくて、人差し指は若干動かすことができ、薬指、小指の側は比較的ぐらぐらいけると思います。もう一本、親指にも中手骨があるのですが、これはもうあさっての方向にどうとでも動かせて他の4つの指とはまるで別物ですね。小指の方に持っていくこともできればぱっと開くこともできるし、ぐるぐる振り回すこともできます。親指はかなり自由なのです。

中手骨の先は3つの小さな指の骨、基節骨、中節骨、末節骨が続き、ただし親指だけは中節骨がなくて2つの骨があるだけです。この小さな指の骨は基本的には曲げ伸ばしができるだけですが、唯一、中手骨と基節骨が出会うところでは横方向に開いたり閉じたりができます。あとは若干のあそびがあるのでひねりが少しできます。このあそびがあるおかげでなにかを持つときに指先は物の表面のカーブに勝手に添ってくれるわけです。

さらにさらにです。先ほど中手骨と基節骨の関節は横に開けると書きましたが、グーにした手でそれができるでしょうか?パーでないと無理ですよね。つまりここの可動性は手のひらを開けば開くほど出てくるのですが、残念なことにグーに近くなるほど指は中に中にとたたまれていってしまうのです。コントラバスのように手を広げて押弦しなきゃいけない楽器では苦労するわけです。

手の中の骨のリンク:

http://www.anatomy.med.keio.ac.jp/funatoka/anatomy/A02/A02_4.html#A02_4_07_001

http://www.anatomy.med.keio.ac.jp/funatoka/anatomy/Rauber-Kopsch/1-17.html#I_293

以上、腕(その3)でした。次回は腕の筋肉について進めてまいります。

最後までお読みいただきどうもありがとうございます。

 

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