bodytune

Archive for May, 2013

5月になり、鍼灸・マッサージの学校もだいぶスピードが上がってきました。特にマッサージの関連で、親指による指圧をしこたまやっているので、指の関節が痛くなってしまいました。この状態でコントラバスを弾くとネックの裏側に当てる左手の親指が痛くてまず力が入りません。こうなると、押弦の圧力を楽器裏板のなで肩部分が自分の体に当たるところ(骨盤の内側など、僕の場合は座奏でかなり抱え込む構えなので腹や左足内腿あたり)で受けざるをえないのですが、これが疲れること疲れること。コントラバスの師匠の指導では、押弦による圧力は奏者の体幹で受けるべきであり、親指をネックの裏側に押し付けるものではないとされています。頭では分かっているつもりですが、悪い癖というのはなかなか抜けないですね。今回、痛くて弾けなくなったことであらためて自分の奏法のまずさに気づくことができました。怪我の功名です。

功名ついでに今日は1つ発見がありました。譜例は今、取り組んでいるヴェルディのオペラ「シモン・ボッカネグラ」前奏曲の一部です。テンポは四分音符120でフォルテ1つ。上段の算用数字が左手の運指、下段のローマ数字は弾く弦の番号です。

Simon Boccanegra前奏曲U03~06 130512

これまで練習していて、2小節目後半でIII→II→IIIと移弦するあたりがどうも右手の運弓がばたついてしっかりした発音ができず悩んでいました。そこで今日は、左手の運指と右手の弓がうまくシンクロしていないのか、移弦がうまく行っていないのか、はたまたボディ・チャンスで習っている頭と脊椎の協調作用の問題なのか、骨盤底筋群の使い方にヒントがあるのか(実際、これは押弦の圧力を受ける上でキーになっていますが)などなど考えつつ、フォルテをピアノにしてみたり、遅く弾いてみたりして何か違いが出るかしばし観察してみました。

どうも2小節目のII弦で運指が0(開放弦)になるあたりで楽器が揺れるなあ、と思った瞬間に突然のひらめき。実は0のところで左手親指でネックを押し上げていたのです。その理由も明白で、直前の2の指を上に上げて開放弦の状態にするためにわざわざ手首ごと上に動かしていたのでした。これでは楽器が揺れて弓がばたつくわけです。もちろん、これだけで完全に理想的なフレーズになったわけではありませんが、1つ近づくことができました。

「コントラバス 左手 親指」とか「コントラバス 左手 手首」とかで検索してもこんなの出てこないから皆さんこの種の苦労はないのかなあ?個人的にはすごい発見をした気分なんですが。。。今後の私的演奏ティップスとして、左手の親指の誤用として開放弦での押し上げ(より正確には手首の誤用でしょうか)を加えることとします。


健康のために水泳をしている友人が肩を痛めて医者にかかり「水泳肩」と言われたそうです。水泳は怪我をしないとよく言われますが、こういう怪我があるのですね。気になったので、スポーツ関連の怪我にどんなのがあるか調べてみました。テニス肘、ゴルフ肘はよく聞かれますが、岩登り肘とかボウリング腕なんてのもあるのですね。こうなると種目名と部位名でもっていくらでも作れそうです。スポーツではないですが、コントラバス肩とか作ろうかしら。

その友人は医者から、筋肉をつける必要がある云々と言われたそうです。この「筋肉をつける」という言葉は怪我の予防としてよく聞きます。しかし、本当にそうでしょうか?もしかしたら、泳ぐ際の肩の動かし方に何らかの無理があって傷めてしまっているという可能性はないでしょうか?このような場合にはいくら筋肉をつけてもだめで、同じやり方で距離泳ぎ出したらまた怪我を再発するでしょう。医者はこの人が泳ぐところを見ていないでしょうし、見たところで水泳の専門家ではないでしょうから、何のアドバイスもできないかも知れません。実際に触ってみてもっと鍛える必要があると判断されたのかも知れませんが、そうではなく念仏のように「筋肉をつけましょう」と言っているのだとしたら考え物です。

かくいう私も友人の泳ぐところを見ていませんし、見たところでどうするのが良いかは分かりません(アレクサンダー・テクニークに習熟すれば分かると思いますが)。その意味では同じです。しかしながら、痛みを考える際に、体の使い方に問題がないのか、問題ないとしたら練習量の問題なのか、練習量をこなす必要があるのだとしたら筋肉の問題なのか、そもそも人体が耐えうる負荷として適切な運動量なのか、などいくつかポイントを整理した上で、ではその人にとってはどうするのが良いのか考えるべきである点は理解しています。

東洋医学的思想に「未病を治す」というのがあります。今現在の痛みに対処するためには鍼灸・マッサージが、より良い体の使い方を提案し再発を予防するためにはアレクサンダー・テクニークが有効です。この理想に向けて、今日も観察と勉強です。


音楽家と栄養管理

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simon011

鍼灸の学校にはスポーツトレーナーをしながら入学してくる方たちもいます。彼らを中心に有志による学内勉強会をしているのですが、先日は試合中の栄養管理がテーマでした。スポーツの世界では、最高のパフォーマンスをあげるためにどのような栄養素をどのタイミングで摂取すべきか一定の理論が確立されており、アスリートたちも高い意識をもってそれを実践しています。

ひるがえって、音楽の世界では各自めいめいが自己流のやり方で本番を迎えているのがほとんどではないでしょうか。パフォーマンス向上のために科学を取り入れるスポーツ界のやり方はみならうべきものがあるように思います。

私が所属する荒川区民交響楽団(以下、当団)では毎年夏にオペラを上演します。これがダブルキャストによる2日連続公演であり、全体スケジュールでは3日かかる長丁場です。1日目は舞台セット、オーケストラ・ピット設置、1回目公演通しリハ。2日目はパンフレット準備(チラシはさみなど)、ホールへのお客様迎え入れ準備、2回目公演通しリハ、1回目公演本番。3日目は2回目公演本番、舞台、オーケストラ・ピットばらし+(打ち上げ)といった具合です。特に2日目は長いオペラを通しリハと本番合わせて丸々2回演奏するのに加えて、お客様を迎え入れるための細々とした雑務もこなさなければならず、大変に疲労します。こういう条件の下でも可能な限り良い状態でいるために、「ステージ上のアスリート」として、スポーツにおける栄養管理についてもっと学ぼうと思います。参考になりそうなことは、これからも当ブログに上げていく予定です。

なお、今年の当団のオペラは8月3日(土)・4日(日)で、演目はヴェルディ作曲「シモン・ボッカネグラ」です。一応、当団の公式HPをリンクしておきますが、演歌ではありませんので念のため。

http://www6.big.or.jp/~ada/top2014.html


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新宿御苑外ヨガイベントは、沢山のお客様に来場いただき、お天気にも恵まれ、さわやかに太陽礼拝を楽しむことができました。KNETENさんのオーガニックランチに舌鼓をうった後は、午後の瞑想と経絡ヨガを行って、夜は皆さん、たっぷり眠れたことでしょう!またのご来場お待ちしております。